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会計ソフト企業のM&Aの手法について

現金で帳簿記入より、会計ソフト導入
この流れが一般的なっているかと思います。MM総研の2016年の調査によると中小企業の会計業務の方法は、会計ソフト導入によるものが49.3%と約半数を占めています。そのほかでは、「すべて税理士に任せている」が31.0%、「Excelなどの表計算ソフトを利用」が14.8%、「特に何も使用しない(紙で計算など)」が3.5%となっています。
会計ソフトには2種類あります。クラウド型会計ソフトとインストール型会計ソフトです。MM総研の同調査によると、インストール型の割合が約83%、クラウド型の割合が17%となっており、クラウド型は起業・独立直後や設立から間もないベンチャー企業などの法人の利用割合が高いようです。

では、そもそも会計ソフトの導入目的はどういうところでしょうか。以下の3点があげられます。

・業務の飛躍的な効率化

仕訳を入力するだけで、試算表や損益計算書・貸借対照表などがほぼ自動で作られます。日々の業務、決算期における業務が大幅に削減されます。

・計算ミスの減少

経理上の問題が発生する原因は、単純な帳簿の記入ミスであることが多いようです。会計ソフトは、仕訳の数字にミスがあったら、メッセージが表示され、入力ができないようになっています。

・税制改正への対応

会計ソフトは、決算書に加え、税務申告書も作成可能です。その際、税制改正、申告書の様式変更なでの対応が必須です。会計ソフトの多くは、システムのアップデートを行い、税制改正に対応できます。

次に会計ソフト企業のM&Aのポイントについて見ていきます。

会計ソフト企業のM&Aの手法のポイントについて
Point1 必要な機能が提供されているか

会計ソフトには入力業務、自動集計業務、決算書自動作成機能の3つの機能が存在します。この3つの機能について以下では見ていきます。

・入力業務
仕訳ルールに基づき、「入金伝票」「出金伝票」「振替伝票」に入力したり、「経費帳」「売掛帳」「買掛帳」「現金出納帳」など帳簿入力をします。

・自動集計機能
『消費税の集計』や『借方・貸方の推移の集計』、『現預金の残高の集計』 などを自動で行う機能が存在します。

・ 決算書自動作成機能
貸借対照表や損益計算書に加え、「製造原価報告書」、「株式資本等変動計算書」、「注記表」、「固定資産台帳」などを作成します。

上記の中で必要な機能を、会計ソフト企業のM&Aする前に明確にすべきです。

Point2 決算書作成以外のオプション機能が豊富か

決算書のRPパッケージの一部として会計機能が存在する場合もあります。給与計算対応や給与明細を作成するソフト、確定申告対応したものに加え、生産・在庫・販売管理などの機能を併せ持つERPも存在します。例えば、日本電気株式会社が提供する、ERPシステム『EXPLANNER/Ai』は、販売、債権、債務、会計、人事、給与など複数の機能を持っています。

Point3 会社規模・業務内容によって拡張可能か

会計ソフトは基幹業務システムの中でも最も重要な位置に置かれることが多いです。そして、業務システムの中でも、初期段階で導入されるケースが多いようです。そのため、特にベンチャー企業の場合、買収先の会計ソフトの機能が拡張した後対応できるかなどを確認することも大切になります。また、海外展開を考えている場合は、IFRS(国際会計基準)に対応していることや、多言語・他通貨に対応していることも会計ソフト企業のM&Aの際には重要になると考えます。

以上で会計ソフト企業のM&Aの際のポイントについて見てきました。会計ソフトといえば『弥生』が有名かと思いますが、2014年11月にオリックス株式会社は投資会社から99.9%の弥生株式を800億円で買収し、弥生株式会社を傘下に入れました。このような形で今後も会計ソフト企業のM&Aは起きるのではないかと思います。

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