IT専門のM&A仲介会社が解説!~IPOとM&Aどちらを目指すべきか~
《目次》
Ⅰ. 会社における『イグジット』とは何か?単なる出口ではない??
Ⅱ. IPOとM&A~イグジットにおける相違点~
Ⅲ. IPOとM&Aのどちらを選択すべきか?
Ⅳ. 引退後の生活や新規事業の立ち上げを見据えたM&A
Ⅰ. 会社における『イグジット』とは何か?単なる出口ではない??
投資業界において『イグジット』という言葉が使われますが、これは「投資の出口」、
つまりは投資家が株式等を売却して対価を得ることを意味します。
この『イグジット』は非上場会社の株主視点からみると、以下の二つに大別できます。
①IPO(Initial Public Offering)
:未上場企業が上場を目指す際に、自社の株を株式市場に公開することを指します。
新規公開株や新規上場株式とも呼ばれます。
②M&A(Mergers and Acquisitions)
:企業の合併と買収のことを指します。
合併は複数の企業が一つに統合することで、買収は買い手側の企業がもう一方の
企業の株式を買い取り、実質的な経営権を得ることです。
厳密には上記の他に「清算」や「マイノリティでの株式譲渡」等も含まれてきますが、
今回はオーナー経営者や非上場親会社等の大株主にとっての『イグジット』に焦点を当てて上記二つを解説していきます。
Ⅱ. IPOとM&A~イグジットにおける相違点~
IPOによるイグジットはオーナー経営者にとっての投資分の回収を意味します。
そのため、IPO時またはIPO後に株式売却をしてはじめてイグジットできることになります。
その対価は「オーナー経営者」ではなく「会社」に対して払い込まれます
一方で、M&Aによるイグジットはオーナー経営者自身が持株を買収者へ売却してその対価を受領するという取引です。
この場合、オーナー経営者はM&A成立と同時にイグジットが完了します
Ⅲ. IPOとM&Aのどちらを選択すべきか?
ここまでのことを踏まえて、自社はIPOとM&Aのどちらが最善の選択なのかを考えていきましょう。
まず、オーナー経営者様なら長期的に次の五つの未来を想定しているかと思います。
①IPO等を実施して規模を拡大し、独立して経営を行っていく
②会社を大きくさせるつもりはないが、オーナー経営者自身が高齢になるまで経営を続けて、最終的には事業承継の選択を取る
③あるタイミングでM&Aイグジットを行い、第三者に経営権を譲る
④あるタイミングで清算をし、会社をたたむ(悪い例)
⑤債務超過等が重しとなり、やむを得ず会社経営をやめる(悪い例)
上記のうち、④・⑤は誰もが避けたいと思うものなので、①~③を比較していきます。
①IPO等を実施して規模を拡大し、独立して経営を行っていく
会社の規模を大きくすることを重要視する場合はIPOの選択肢を中心に考えてよいと言えます。
自身が「オーナー経営者」であることが重要で、外部に左右されずに経営をしたい、且つVC等(IPOを推奨する外的要因)からの出資を受けていない場合はIPOだけが全てではありません。そこにはM&AイグジットやIPO以外の選択肢も含まれてくると考えられます。
②会社を大きくさせるつもりはないが、オーナー経営者自身が高齢になるまで経営を続けて、最終的には事業承継の選択を取る
このケースで多くみられるのは単純に経営するのに疲れてしまったという場合です。
『このまま自身で経営を続けていくことは可能だが、長く社長業をやってきた半面残りの時間はプライベートに重きを置きたい』と考える経営者の方も少なくはないと思います。
よって、この場合はM&Aを積極的に検討すべきと言えます。
現在M&Aは会社経営や事業継承における有力な選択肢の一つとして認知されており、それは大企業だけではなく中小企業においても同様です。
③あるタイミングでM&Aイグジットを行い、第三者に経営権を譲る
そのタイミングというのは様々なものの、会社の成長を加速させることや、事業の選択と集中を行う時がそのタイミングになるかと思います。
実際に弊社でお手伝いをさせて頂いたIT企業様に、
『自社サービス集中したいけど、受託開発をやめるわけにはいかない』
と考えている中でM&Aを選択された経営者様がいらっしゃいました。
その経営者様からは、M&A後は自社サービスへの集中が実現し、大きなやりがいを感じながら仕事に取り組めているという話を伺っています。
もし、「売上の伸び率が停滞している現状を打破したい」、「全く別の新しい事業をやってみたい」、「自社サービスにリソースを割きたい」と考えている場合は、②同様積極的にM&Aを活用していくことをおすすめします。
以上の3ケースをご自身に当てはめて考えてみると、現在または将来的にIPOとM&Aのどちらを検討するのが最善の選択となるのかが見えてくると思います。
Ⅳ. 引退後の生活や新規事業の立ち上げを見据えたM&A
前項まではIPOとM&Aについて比較してきましたが、ここではM&Aを成功させるポイントに焦点を当てていきます。
ここで重要視されるポイントは以下の三点です。
①M&A時のバリュエーションをより大きくするために、M&A前に経済的価格を高める
②内部状況だけでなく業界を取り巻く環境にも注意して行動する
③M&Aを実行するにあたってM&A関連サービスを上手に利用する
①M&A時のバリュエーションをより大きくするために、M&A前に経済的価格を高める
これは、組織の強化・売上の向上・利益率の改善・福利厚生費の圧縮等、決算書上の数値を譲受側に訴求できるように好転させる作業です。
併せて本業の事業サイクルなどに手を加えて、無駄の削減や利益率の向上を目標として動くことも大切になります。
②内部状況だけでなく業界を取り巻く環境にも注意して行動する
M&A前に関しては自社の努力次第ですが、その後は外部の環境にも目を向けて、最適な売り時を判断することも必要となります。
IT業界では現在売り手市場の傾向があり、直近で最も良いバリュエーションが付くと言われています。
特にSI/SES事業、メディア・SNS関連事業がアップトレンドのため、前項③(Ⅲ. IPOとM&Aのどちらを選択すべきか?)で述べたような状況下にある場合は、一度M&Aをご検討されても良いかもしれません。
③M&Aを実行するにあたってM&A関連サービスを上手に利用する
今やM&Aはどの業界にも浸透し始め需要が高まるとともに、プラットフォーム等M&Aの仲介的ポジションを担うサービスが増えてきました。
その中でもM&A仲介会社の数が急激に増え、業界問わず総合的に取り扱う大手仲介会社や、弊社がIT領域専門でやっている様に、
ある業界に特化したブティック型のサービスを展開する仲介会社が存在します。
M&A仲介会社の提供価値は交渉の段取り力であり、双方の要望やスケジュールを調整し、
交渉をまとめていくことにあります。
これはプラットフォーム単体では代替できないポイントになります。
当社の紹介
IT業界のM&Aは、時流や技術の変化が激しく、高い専門性が必要とされています。弊社のM&A仲介サービス「GARAGE」(ガレージ)では、運営開始当初より、IT領域のM&A仲介のみに専門・特化してきました。最高のM&Aを実現させるためには、その領域に特化した深い知識が必要であり、常に最新の市場環境を追い続ける必要があります。
当社では、経営者様の「本当に信頼できるアドバイザーに相談したい」という想いに応えるため、常にIT業界をウォッチし、その時に一番良い選択肢をとっていただけるよう、リサーチを続けています。
また、当社では自身がM&A経験者である代表・高田をはじめ、経験豊富な専任のアドバイザーがおり、お客様に丁寧に寄り添いながら、最適なスキームのご提案をさせていただきます。